since 2007.8 by K-ichi

 

エバーグリーン(?)が咲き始めた。

2ch掲示板での頂き物で、2006年6月に埼玉から送ってもらった。
50~60cmほどの小苗だったが、植え付けるとどんどん伸び、昨年は鉢植え(8号)ながら5mほども伸びた。
薄いピンク色の花をいくつかまとめて着ける。写真は比較的整った花。「桜の花びら」状に裂が入ったり、さらに深く入って分裂したり、裂が2つあったり、皺くちゃだったり……と変化が大きい。

黒い実が生り、熟しても果托が外れないところから、ブラックベリーであるようだが品種は不明。葉の形からエバーグリーン種ではないか、ということだったが、ググってみても「ソーンレス・エバーグリーン」ばかり。この株には大きな棘が大量で、いうなればソーンリッチ・エバーグリーン。

葉は、5出掌状に近い鳥足状複葉。小葉は重鋸歯だが、鋸歯が深くなって「鋸歯のある羽状複葉」状になっている方が多い。ともかく花も葉も、切れ込みが多く変化が大きい。

 

クマイチゴも盛りを迎えつつある。

野生では、人の背丈をも越え、巨大凶悪な棘で悩ませるクマイチゴも、8号鉢に植えてしまうとおとなしくなる。樹高は1mに満たず棘も小ぶり、それでいて適度に咲き実ってくれる。ブッシュになってしまうニガイチゴ、生りが悪く枝垂れてしまうモミジイチゴ、すぐに根が回ってしまうカジイチゴ……野生種の中では、意外と栽培に向いているのかもしれない。

クマイチゴは、花が散った後も萼は閉じない。平べったい花托がだんだん盛り上がってきて色づく様子が見られる。黄色いのが未熟果、真っ赤になったのが熟したもの。

 

ヒメカジイチゴが実りだした。
カジイチゴとニガイチゴの雑種とされる。

もとあった場所では生っておらず、またキイチゴ雑種の常識からしても結実はしにくいとされるが、昨年同様にそこそこ生るようだ。周辺にキイチゴ属が植わってることが影響しているのだろうか。
とりあえず、昨年の実生が出始めているので、(雑種の)雑種かどうかは、様子の違いで何か判るかもしれない。

ニガイチゴの血を引いているため、受粉後に萼は閉じられる。熟す間際に再び開き、種子運搬者に公開する。一番下のものが2~3日すると、萼は180°以上開き、さらに深い赤色に熟す。

 

盛大に咲き、盛大に実っている。
これが見納めの最期の煌めきかと思いきや、気が早かった。

13日、吸枝が出ているのを発見。
とりあえず1年は延命ができた。寿命はないのか、来年が最後なのか、はてさて……

 

マタタビが咲き始めた。

これは、2003年7月に木天蓼が生っていた枝を採取し挿し木したもの。
毎年咲いているが雄花だけなので雄株なのだろう。木天蓼はそれ用の虫(タマバエとかアブラムシとかいう説あり)がいないとできないので、毎年雄花が咲いて散って終わり。

露出の多い場所に置くと猫に荒らされるため、草むらに潜ませてある。うつむいて咲くために写真が撮りづらいが、珠のような蕾、梅のような白く丸い花、サルナシと違う黄色い葯が見て取れる。

草むらに隠し置いても、クサカゲロウには見つかってしまう。草むらを分け入っていくと、集っていた緑色の羽虫がわらわらと翔びだす。あまりの多さに初めは驚いたが、アブラムシなどを食べてくれる益虫らしい。……幼虫の間だけだが

 

エビガライチゴが開花した。赤く長い毛で覆われているのが目を惹く。

2005年7月に天竜スーパー林道で吸枝を採取、挿し木にした。
いまさらだが、雌雄の別もなく、特に遺伝的な希少性もない場合には、実生にすべきだと思う。キイチゴの挿し木は歩留まりがさほど良くなく、また1000m級から低地へ移動させられれば、環境変動についていくのも大変。実生なら、初めから根があり、生まれ育ちが低地であることから、改めて環境に「慣れる」必要もなく、また採られる側の負担もより少なくできる。

エビガライチゴは、陽光の高地に生えることから、日光はとても好むはずなのだが、暑さはやや苦手のよう。8号菊鉢に植えてからも、春先は元気に吸枝を伸ばすのだが息切れし、結局スペースを持て余すような緩慢な成長でいる。
今年ようやく、一つだけ花を着けた。

全身がビロード様の毛で覆われ、萼の外側までびっしり。花弁は白。それ以外はナワシロイチゴに似る。
開花しても花弁は開かず、受粉が済むと萼が閉じる。やや整然さの欠けた蕾様の中で果実を成長させ、完熟直前に再び開き、ルビー色に完熟する。
自生地では房状に大量に生り、味も悪くないのでオススメの一つ。

 

5月に入ると、園芸種を含めていっせいに咲きだす。ボイセンベリーと思しき株も咲いた。

これは浜松市で唯一というスリランカ料理店、コロンボ&ファリーヌで、フェンスに絡ませて生垣にしてあったもの。'05夏、ダールカレーを食べついでに一枝いただいてきて挿してみた。
現在は改装移転したようで、オリエンタルカフェ&バー コロンボとなっている。親株は既に亡い。

ひたすら太陽に向かって咲く。

結果枝の葉はこんな感じ。
側葉も先を向き加減で、ちょっと特徴がある。

吸枝(サッカー)では、例によって変化が大きくなる。
基本は3出羽状複葉だが、まず頂葉の両側が割れる。これが進むと、5出の羽状複葉になる。さらには3出において側葉だった小葉の外側(葉の基部側)が割れる。が、これが進んでも7出羽状にはならず、5出羽状の最基部側の小葉が2枚になった形になる。
棘はなく、毛も少なく、つるっとしている。半蔓性。

 

サルナシが開花した。

2005年7月に、天竜スーパー林道で、雄株、雌株から枝を採取し挿したもの。8号菊鉢に植えてある。今年が初咲き。
上が雄花、下が両性花と思われる。雄花は1日早く、昨日開花した。マタタビの葯は黄色いが、サルナシのそれは黒い。自家不和合性は聞かないが、いちおう雄花の花粉を雌花に着けておく。

 

ナワシロイチゴが開花した。これは庭先の土手に自生したもの。

フラッシュのせいもあるが萼は毛深い。ピンクの花をつけるが花弁は開かない。強制的に自家受粉するためかと思いきや、結実する量は少ないことも多く、一つの花にたった2粒3粒だけ、というのも珍しくない。
がっつり確実に花粉を運んでくれる、これをこじ開けられるような屈強な虫(ミツバチなど)のみ呼び込むためだろうか。ちなみに蜜は、中央にある雌蕊の周り、輪状に生えた雄蕊の内側の花托上にある。

葉は3出複葉。今年の吸枝(サッカー)では5小葉のものも見られる。芽や葉裏は毛で覆われ白い。棘は多く、蔓性。他の植物に寄りかかったり地を這ったりして伸び、地面に着いた部分からは根を出す。
似た雰囲気のものにエビガライチゴがある。

 

ラズベリー(インディアンサマー)が咲いた。

一昨春にジャンボエンチョーで¥398-で購入したもの。「赤実ラズベリー」「黄実ラズベリー」とだけあったが、後日メールにて問い合わせたところ、赤実はインディアンサマー、黄実はファールゴールドとの回答を得た。

購入後、うちでの定番8号菊鉢(¥150-@カインズホーム)に植え替え。早速咲き結実したのだが、どうも調子が悪い。
これは'06年8月のファールゴールド。この後さらに伸び、秋果も生るなどしたが、地際から変に枯れ上がり、明らかに葉色も悪く、健常には見えない。
虫害なら溺死させようと浸漬しているところだが、効果は見られず。

地際の様子。表皮は裂けてめくれている。
この年はなんとか冬を越せたが、'07-'08は冬芽を残すことができなかった。

翌'07年7月には、ファールゴールドの吸枝(サッカー)を一部掘り起こしてみた。なにやら怪しげなイボイボが多数……。
ファールゴールドだけだったこの症状、最近はインディアンサマーにも多少見られるようになった。
ウイルスなどに罹患したのか、単に熱さに弱いだけなのか、今もって判断付かず。幸い、実生が僅かながら得られたのでそれを隔離育成し、また親株は夏場遮光するなどして様子を見るつもり。

冬芽を残せなかったファールゴールドにも、吸枝は出てきた。左がインディアンサマー、右がファールゴールド。
姿形や風味などは似ているので、単に赤色色素が欠落しているか否か、だけの違いなのかもしれない。

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