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先日、広域農道で「おちばの里親水公園」なる看板を見つけた。山奥で落ち葉をウリに公園? と訝りながらも、ふらりと寄ってみる。細い脇道を行くと、その先には広い駐車場のある公園があった。廃寺跡だの富士見岩だの、案内板も整備されている。何の気なしにちょっと登ってみたが、途中で雨に降られたため引き返した。

地図 調べてみると、あの山々は湖西連峰と呼ばれる一部で、富士見岩、大知波峠廃寺跡などは有名なよう。

地図は電子国土ポータルより。
浜名湖西岸を走るR301から県道4号で多米峠へ向かい、最初の信号を右折北上。この広域農道(地図:緑色)は1kmほど平坦が続く。やや右にカーブしつつ登りだした左手に案内看板があり、細い脇道(地図:黄緑色)へ入る。この道は古い峠道で、豊川道と呼ぶらしい。沢音を聞き、畑を抜け、ちょっと大振りな一本杉を過ぎると、30台は停められそうな駐車場を備えた公園(地図:緑色塗潰)にたどり着く。これが「おちばの里親水公園」で、建家があり、トイレや井戸水道、自販機などが備わる。広場は芝が敷かれ点々と木が植えられ、ビオトープらしきものも。川にも下りられ、東屋では家族連れがバーベキューで占領していることもある。

公園のあたりが今川の起点となっていて、公園入口にはその支流が流れる(地図にはない)。その直前に、富士見岩への登り口看板がある。ここからスタートして、公園から見える北側の尾根を、左回りにぐるっと回る(地図:赤線、一部不明部分あり)。

ミカン畑を両側に、沢を左に見ながら山へ。平坦な道は、右へ折れながら急になる。少し蒸す。タマシロオニタケ、コナカブリテングタケなどの毒菌を見つける。

マツオウジ マツのような切り株からは、カサの直径が20cm超のマツオウジが。図鑑のようなバサバサした雰囲気ではない。また日本の毒きのこによれば、黄色味が強くツバのないタイプは毒菌の可能性があるという。これにはツバがない。

コテングタケモドキ 急な道を登りきると1本目の鉄塔にたどり着く。先日途中撤退した際には、この足元にコテングタケモドキの群生があった。大振りなキノコで、こげ茶色で、美味そうな見栄えがする。誰かが一本抜いて転がしてあったのは、食えないテングタケ類と判って打ち捨てていったのか。

後日、とある掲示板に、ウラベニホテイシメジのつもりで食べた、というスレが立っていた。2時間ほどたって二日酔いのようなめまいが起こり、5時間ほどで回復した、とのこと。ネット上には、試食したがなんともなかった、というページもある。

コシロオニタケ 鉄塔を過ぎるとさらに蒸し、羽虫も多くなる。
星型に裂けたコシロオニタケを見る。
その後、未舗装の扇山(大知波)林道に出る。

ヒメバライチゴ この林道およびその周辺には、ヒメバライチゴがいたるところに群れている。初めは、日当たりが悪く弱ったカラスザンショウの実生群生か、などと思ったが、もちろん特有の匂いはない。よく見ると、干からびたキイチゴ状果の残骸があった。ヒメバライチゴはこれが初見。

せいぜい膝を超える程度の樹高。棘はあり、毛はない。今春のシュートは5対程度、前年のはやや少ない奇数羽状複葉。葉は黄緑色で元気のなさそうな色。このあたりのキイチゴ類は、これが圧倒している。クサイチゴもちらほら混ざって生えていたが、雑種らしき個体はなかった。

林道に出たら、看板に従って右折東進する。数分で瀬戸山林道との三叉路へ着く。ここから左の尾根道をまた登っていく。入り口では、干からびかけた黄色味がかったイグチとコテングタケモドキがお出迎え。コテングタケモドキはあちこちで見かける。

謎イグチ 登っていくと、カサの直径が15cmオーバーの謎のイグチに出会う。ひび割れた、こんがりキツネ色のカサに黄色い管孔。柄は短く見た目繊維質、写真では下部がややオレンジ色にも見える。2本一緒に生え、すぐ近くに幼菌がもう1本。

さらに登り、2本目の鉄塔を過ぎるとすぐにピークに着く。その先は南西方向が開けた鞍部になっている。ここは日を遮るものがない。むっとした照り返しがつらい。進行方向を仰ぎ見れば、3本目の鉄塔、および4本目と目指す岩塊が見える。

イタビカズラ 鞍部を過ぎると3番目の鉄塔、そして藪になる。人ひとり分の空間を進む。葉柄基部に虫癭(ウコギハグキツトフシ)をつけたヤマウコギ(オカウコギ?)が見られる。
さらに先は、一気に急登になり、背丈を越える笹薮。道が整備してなければ突入したくない。途中にある岩場にはイタビカズラが豊作。

振り返ると、いままで通ってきた鉄塔が見える。右奥が2番目、手前が3番目、そしてイタビカズラ。富士見岩まではもう一息。

富士見岩 4番目の鉄塔の西側にごろんと転がった富士見岩。半分ぐらいしか写ってない。湖西市、浜松市、豊橋市の境界の印が、岩の上につけられている。

浜名湖とその周辺が一望できる。高度的に適当で、遠からず近からずが良いのか、とても立体感を持って鳥瞰できる。猪鼻湖方面は鉄塔越しになるのが残念。季節柄、当然ながら富士山は見えず。
北から南西に向かって、湖西連峰が連なり、その上に居ることが実感できる。西方、木々の頭の隙間には、赤岩尾根と思われる特徴ある丸い山。伊良湖岬までは見えてなさそうだが、渥美半島の山も靄の中に浮かんで見える。

クリイロイグチモドキ 尾根道には豊橋自然歩道の看板があり、北は本坂峠方面、西は石巻方面とある。登ってきた道は、鉄塔の巡回路なのかもしれない。

西へ進むと、背丈を越える藪の中ながら整備された道が続く。眺望はほとんどない。アップダウンもさほどない尾根道。途中に三角点がある。クリイロイグチモドキを一本見つける。
右手に電波塔があるはずだが、見通し悪く見当たらず。

大知波峠廃寺跡1 やがて大知波峠へ到着。

ここには廃寺跡があり、国指定の史跡(平成13年指定)となっている。平安時代10世紀中ごろに建立され、11世紀末には廃絶。古文書、口伝などがなく謎の山寺であったが、多くの発掘物により調査が進んだ、とのこと。見晴らしの良い広場に並ぶ白い礎石が見える。

写真の左枠外が富士見岩方面。

大知波峠廃寺跡2 大知波峠廃寺跡3
案内板にはあるが、廃寺跡の主だったものは、実はその西側にある。わずかな踏み跡を行くと、まっすぐ立ったマツの林。そしてその足元には、低い草に埋もれつつある礎石の並びがある。素人目にも、何棟もの建物が建っていたことがうかがえる。

大知波峠 この峠には、廃寺跡ということもあって、看板やら石塔やらがたくさん立っている。道脇には、焼き物でできた地蔵が並ぶ。草に埋もれ、一部は割れていた。

尾根道の豊橋自然歩道は直進し、多米峠へ向かう。直交する峠道は、左手湖西市から登ってくるのが豊川道、右手豊橋市へ下るのは長彦自然歩道(大知波道)。さらに右前方へは、石巻山方面へ向かう未舗装の林道も来ている。廃寺跡は左手前から左奥にかけて。

豊川道を下っていくと、再び暗い林の中へ。途中、鍋が割れるほどに冷たいという鍋割の水への分岐がある。

暗い道脇にはフクロツルタケのようなものが、おおむね一列に並んで生えていた。柄の根元が割れて中空なのが見えた。立派なツボがあるがツバはない。

不動の滝 やがて再び扇山林道へ戻る。左折東進し、すぐに右に下る豊川道の看板がある。もうしばらく東進してから下れば不動の滝があるようなので、こちらを選ぶ。
不動の「滝」は、梅雨時でこの状態。

アブラゼミがやる気なくミンミンゼミの真似をしているようなハルゼミの声を聞く。街中では聞かれない。
水の流れとハルゼミを聞きながらさらに下山。さきほど別れた豊川道と合流し、軽トラックなら通れそうな道を進む。植林帯で、面白みもなく、暗く、足元がとても水っぽい。そうこうしているうちに、親水公園北側のミカン畑に出た。



ところで、「おちばの里」とは、落ち葉と大知波を掛けたネーミングだったんだろうか。

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