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2017/3/3
Iridium62の夜間フレア
昼間のイリジウムフレアに挑戦してみた。

太陽は-26等、満月は-12等といわれる。金星は-4等、木星は-2等星ぐらい。木星は肉眼では無理だが、金星ならよく晴れた青空に白くポツンと見える。
イリジウムフレアは、明るいときには-8等級にもなる。見えない方がおかしい、ということで挑戦してみた。

じつは今まで何度か挑戦している。「ほぼ」昼間では見えたのだが、太陽が空にある状態では無理だった。同時に撮影(Kenko DVS2500HD)も試みたのだが、やはり写らなかった。
昨年、新しいカメラ(CASIO EX-10)を入手した。レンズも撮像素子も大きめでシャープな写りなので、技術の進歩に期待……

結果、とりあえず昼間のイリジウムフレアは撮影可能、という確認はできた。


まずは一般的な、夜間のフレア動画撮影。

EX-10は、静止画はかなり撮れるが動画はいまいち。動画撮影の設定項目は、フォーカス、ズーム、解像度ぐらいしかない。
感度も高くなく、夜間に-8等のイリジウムフレアを撮っても冒頭の画像程度。動画から比較明コンポジットしたものだが、フレアはよく見えるが背景の星がぜんぜん見えない。
開放で撮ったつもりが、フレアには光条が出ている。勝手に絞られているわけで、動画撮影ではF値の設定もできない。

それっぽい映像にするために、直前に同アングルで別撮りした写真と合成してみた。一応、日周運動もシミュレートしている。
静止画は、F2.5、ISO1600、4秒露出。やっつけでもこれだけ写るのに……

2017/3/3 Iridium62 (夜間フレア)


さて本題の昼間撮影。

昼間の撮影なので、感度が低いことはとりあえずおいておく。問題は、いかに明るい背景から光点を浮き上がらせるか。
Fを大きくすれば、面は2乗に反比例して暗くなるが、点は変わらない。またfを伸ばすことで、有限な解像度を有効に使えそう。
EX-10では、112mmF8.0まで設定可能だが、動画ではFは設定できない。とりあえず限界までズームアップ(112mm)し、最高解像度のフルHDモードとしておく。

静止画の連写も考えたが、30枚までしか撮れない。動画並みフレームレートでは1秒にしかならないので、やはり心もとない。

空の条件も芳しくなかった。
午前中はもったりと曇り、午後から青空に変わってきたものの春霞。富士山など遠景は白くて見えない。飛行機は短い雲を引く。
仰角は62°とまずますだが、太陽との離角はわずか30°。ちなみに映像の対角が20°余。-7等の予報だが、厳しいかな……というのが正直な印象。
太陽を隠せる日陰に入り、方位、高度を合わせ込み、動画撮影を行った。

当該時刻になるも、肉眼では確認できず。映像を見てみるが、やはり見えない。うんと補正をかけても判らない。
当該時刻付近を比較明コンポジットして強補正をかけたところ、ようやく点線状に存在が確認できた。空のせいかカメラのせいか、点滅して見える。

これらの状況を、映像にまとめたのが以下のもの。
YouTubeでは再圧縮が行われるようで、ノイズにまみれた極々僅かな光点は「シミ」扱いで潰されてしまう。一応この映像でも見えるが、元の映像はもう少しだけ見やすい。

2017/3/29 Iridium80 (昼間フレア)


ツール等は以下のものを使わせてもらった。

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