since 2007.8 by K-ichi

星が流れんぐらいの露光しかできんなら、ほいほい撮って、後処理で頑張りゃいいらと、挑戦したのが5年前。バーナードループは影も形もなく、美しくもない結果しか得られなかった。
彗星だの衛星だので、最近はまた空を仰ぐ機会が増えてきたので再挑戦してみた。

カメラは前回同様、RICOH Caplio R2。2005年発売機なので、もう10年選手になる。発売当時は、広角と1cmマクロがウリの、中堅のコンパクトデジカメだった。
撮影の各種設定は、f=4.6mm(28mm相当、Fを稼ぐため最短)、F3.3(設定はできないが最小値)、ピント∞、ISO800(最大感度)、8秒露出(最長)、フラッシュ禁止。
JPEGエンジンへの影響を期待して、EV=+2.0(記録光度を稼げるかも)、WB=蛍光灯(赤系の色を稼げるかも)とした。
画質は1280Fを選択。5Mピクセルの撮像素子なので、無理のない1280×960解像度で、最も高画質のファインモード。液晶での撮像確認表示をやめれば、8秒露出でも10秒でまわせるので、6枚/分で撮り続ける。

前回は固定撮影で、合成が上手くいかなかった。今回はガイド撮影とする。
架台はVixenビクセンのスーパーポラリス赤道儀。スーパーハレーSR-1000として入手したので、極軸望遠鏡もモータドライブも後付け。中学生にしてはよく調整できていたが、再調整しておく。


撮影は2月6日、21時過ぎ。快晴、月なし。オリオン座らは、南中を過ぎたころ。追尾はオートガイド。
とりあえず撮れたものの、1枚画像を見てみる。


生画像

ダーク引き無し、強補正

ダーク引きあり、強補正
生画像は、右が北。右上にポルックスとカストル、上辺中央にプロキオン、左上がシリウス。中央やや左下に寝たオリオンがいて、下辺やや右寄りにアルデバラン。6つも1等星が入る豪華な構図……だが寂しい。
なお、bloggerではJPEG画像は勝手に改変されてしまうので、真の生画像ではない。

2枚目、3枚目は、AviUtlでダーク引きとともに、回転、ガンマ補正をかけたもの。強補正をかけて、写り具合を確認してみる。ダークマスクは、5年前に使ったものと同じ。
背景のノイズが酷く、せいぜい3等星が確認できるかな、程度。ダークの引け具合はまずまず。

ピントは甘め。左半分(ふたご座~おおいぬ座)あたりには、放射方向のレンズの収差も見える。ズームレンズなので、建付けにガタがあるのは仕方ないか。


こんな画像をもとに、合成してみる。ツールはYimgで、「平均」コンポジットを行う。
このツール、相変わらず4枚ずつしか合成できない。そこで以下のような手順を踏む。
Yimgに16枚食わせる → 4枚ずつ合成 → 合成結果の4枚をさらに合成 → 16枚合成結果を48bitTIFFで保存。これを4回行い、4枚の16枚合成結果TIFFを得る。それらをさらに合成し、最終的に64枚合成画像を得る。

SN比は枚数の平方根に比例して良くなるとされる。手間とのバランスを考え、64枚の合成とした。各色のレンジは14bit分になる。
SN比は8倍良くなるので、ISO100の普通の写真レベルに改善されることを期待。総露出時間は512秒。ISO800、F3.3で8.5分なら、バーナードループの可能性もあるかも!?

ダーク引きは、1枚画像と同様AviUtlで行う。その際、フィルタの類はかけない。手順を変えて、いくつか試してみる。
すべての画像は、処理の最後にYimgで[画像処理]-[レベル補正]-[ガンマ]で、1.0 → 4.0としている。


1.
生コンポジット

2.
合成後に従前のダーク引き

3.
合成前に従前のダーク引き

4.
合成前に従前のダーク群引き

5.
合成前に新ダーク群引き

1.は、生データ64ファイルを、単純に平均コンポジットしたもの。左下のピンク色は、撮像素子の熱ノイズ。

2.は、撮影画像、ダーク画像ともコンポジットした上で、ダーク引きをしたもの。
ダーク画像は、前回使った152枚コンポジットのもの。AviUtlでは24ビットカラー(各色8bit)しか扱えない出力できないので、ここでビット落ちする。その後、強い画像処理をすると、画質は荒れる。

3.は、ビット落ちを防ぐべく、あらかじめダーク引きをしてからコンポジットしたもの。使うダーク画像は2.に同じ。
多数枚のダーク引きは、AviUtlの拡張編集を使う。メディアオブジェクトの動画ファイルに連番画像を取り込ませ、差分を取った後、連番BMP出力でビットマップファイル群を得る。
背景は荒れなくなるが、ムラは残る。ダーク画像は多数枚合成で得たものだが、引く時点では各色8bitの1枚画像でしかない。ムラの傾向が2.と同じなので、この影響と思われる。

4.は、従前のダーク画像の元となった画像群を、そのままダーク引きに使ったもの。1枚ずつ順番に、撮影画像からダーク画像を引いていく。(撮像64枚)-(ダーク64枚)を、ほぼビット落ち無しで処理したことになるはず。
結果、ムラも荒れも落ち着いて見える。ただ、ダーク画像作成環境の違いか、やや青味がかって見える。

5.は、あらためてダーク画像を撮りなおし、4.と同様の処理をしたもの。寒空での取得、気温やカメラの向きなどは撮影時とほぼ同じ。
こちらは素直だが、やや引き足りない感じ。少しピンクが残る。AviUtlでのダーク引きの際、マイナス値はゼロになっているはずなので、そのあたりの影響かもしれない。

現在取り得る手段でベストな処理は4.もしくは5.。熱かぶりはやや残るものの、滑らかな星野画像は得られた。
ただ、当初目的の結論としては、このカメラで赤い星雲は写らない

カメラ越しに、リモコンLEDや赤外LEDライトなどを見ても、それ自身の発光は見えても照らされる側は判らない。赤外カットフィルタの効き目が、かなり広めで強めなのかもしれない。
雑誌の派手なHG400作品に憧れるも、店には既にG400しかなく……残念な結果だった、そのときの徒労感を思い出した。

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